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ヒストリー

HISTORY

化学研究所の成り立ちは大正時代までさかのぼります。1941年に第一次世界大戦が起こり、海外から医薬品の輸入が途絶え、当時流行していた伝染病の薬であったサルバルサンの国内での製造が急務となりました。1915年、京都帝国大学理科大学(現在の京都大学大学院理学研究科)は化学特別研究所を設け、「サルバルサン類の製造と研究」を始めました。1926年、勅令により「京都帝国大学化学研究所」となり、化学研究所が正式に誕生しました。設立理念の「化学に関する特殊事項の学理及び応用の研究」の精神は今も受け継がれています。

サルバルサンの研究を指揮した久原 躬弦 教授
(京都大学大学文書館所蔵)

1929年、大阪府高槻市に研究所本館が竣工しました。1968年の京都府宇治市への移転までの間、高槻の地でさまざまな社会要請に応える化学研究を主眼として発展しました。化学研究所が1926年から1968年の間、大阪府高槻市(京都大学 旧高槻キャンパス)にあったことを記念する石碑が、現在も大阪医科薬科大学のキャンパス内に設置されています。

高槻本館1926.jpg

Our 
Story

「化学」を根源とした多様な「科学」の真理を100年にわたり追い求めてきた化学研究所。化学分野における歴史的業績を数多く残すとともに、ノーベル賞、文化勲章等の受賞者を多数輩出してきました。その歴史と伝統を受け継ぎ、新たな知への挑戦を続けます。

主な歴史

1926 「化学に関する特殊事項の学理及び応用の研究」を開始
1927 日本の石油化学工業発展に貢献した「人造石油」の開発
1939 国産初の合成繊維「ビニロン」の発明
1942 「モノビニルアセチレン法による合成ゴム」の工業化試験に成功
1951 「高圧法ポリエチレン」の連続中間試験を実施
1968 化学研究所が宇治キャンパスに統合移転
1979 世界初、銅フタロシアニンの構成原子像を撮影
1980 日本でいち早くDNAの塩基配列解析を開始
1992 スーパーコンピューターを設置 
2010 共同利用・共同研究拠点に認定


 

Awardees

主な受賞者

ノーベル賞:湯川秀樹 1949年 物理学賞
      福井謙一 1981年 化学賞
文化勲章 :湯川秀樹 1943年 原子物理学
      早石 修 1972年 生化学
      櫻田一郎 1977年 応用・高分子化学
      福井謙一 1981年 工業化学
      満田久輝 1994年 食糧科学
      玉尾皓平 2023年 有機合成化学・有機金属化学 
 

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へきすいしゃ

碧水舎

2016年に化学研究所90周年記念事業の一環として誕生した「碧水舎」は、もともと旧陸軍の火薬庫として建設されました。その後京都大学教養部の講義棟として、1968年の化研宇治地区移転後は、無機材料化学系の窯業化学実験工場として使用され、長年にわたり宇治地区で重要な役割を担ってきた歴史ある建造物です。「碧水舎」はセミナー室と歴史展示室を兼備したユニークな多目的集会施設です。

化学遺産

現在、化学研究所には、国立科学博物館より「重要科学技術史資料」として登録されているものが2件、日本化学会より「世界に誇る我が国の化学関連の文化遺産」として「化学遺産」に認定されているものが4件あります。それら化学遺産は、化学研究所の「碧水舎」に展示してあり、毎年秋の宇治キャンパス公開の際などには一般公開されています。
2026年10月-11月には、京都大学総合博物館にて展示予定です。

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