top of page
手紙.jpg

Albert Fertからの手紙

1987年

A Letter from Dr. Albert Fert

1987年、Albert Fertは化学研究所の新庄輝也の研究室に金属人工格子作製装置の見学に訪れました。その翌年、1988年にAlbert Fert はノーベル賞受賞業績である金属人工格子における巨大磁気抵抗効果(GMR)を発見しました。Albert Fertは新庄研究室訪問時に得たヒントがGMRの発見につながったと述べています。
 

写真の手紙は、Albert Fertから贈られた京都訪問に関する謝辞(仏文)です。
日本語訳
新庄先生
研究室で温かく迎えていただき、ありがとうございました。
1988年のICM国際会議の折にフランスで先生をお迎えし、磁性多層膜について再び実り多い議論ができることを願っています。
敬具
アルベール・フェール​

shinjo.jpg

新庄 輝也  Shinjo Teruya(1938年-)

​(第26代 化学研究所長)

新庄輝也は、金属人工格子の研究を世界に先駆けて切り開き、スピントロニクスという新しい研究分野の発展を支えた日本の物理学者です。

1938年に京都府に生まれ、1966年に京都大学大学院理学研究科博士課程を修了し、同年、京都大学化学研究所助手、1985年に京都大学化学研究所教授に就任しました。

金属人工格子における新しい磁性現象を次々と発見し、その成果は巨大磁気抵抗効果(GMR)の発見へとつながる重要な基盤となりました。金属人工格子研究の先駆者として、GMRヘッドによるハードディスクの大容量化において重要な技術的貢献を果たしました。

2000年には、紫綬褒章を受章しています。

Albert_Fert_0109.jpg

Wikimedia Commonsのパブリックドメインより取得

アルベール・フェール   Albert Fert(1838年-)

アルベール・フェールは、巨大磁気抵抗効果(GMR)を発見し、スピントロニクスの発展を切り開いたフランスの物理学者です。

1938年にフランスのカルカソンヌに生まれ、1976年にパリ南大学教授に就任しました。1988年、鉄とクロムを交互に積層した人工格子でGMRを発見し、従来よりはるかに大きな磁気抵抗変化を実証しました。1995年からはCNRS/ターレス物理学共同研究所の研究部長を兼任しました。

GMRの発見は、ハードディスクの高密度化やMRAM(磁気抵抗メモリ)などの開発につながり、情報技術の発展に大きく貢献しました。2007年、巨大磁気抵抗効果の発見により、ペーター・グリュンベルクとともにノーベル物理学賞を受賞しました。


 

参考文献

大高利夫『ノーベル賞受賞者業績辞典 新訂第3版 -全部門855人』(日外アソシエーツ)426-427頁, 2013
新庄輝也「金属人工格子の創製とその機能性の研究」『財団法人東レ科学振興会 第50回事業報告書』42−43,2009

bottom of page